江戸幕府直轄4牧の一つである嶺岡牧に設けられた千葉県酪農のさとで、1月7日より「特別展 民具が語る牧での暮らし」を開催。

 嶺岡牧は、八代将軍徳川吉宗が、国民の寿命を延ばすため、白牛を放牧して乳を絞り、最高の薬餌といわれた牛乳製品の「醍醐」を作った「日本酪農発祥之地」。しかし、明治44年に閉鎖された後、忘れられ、その姿が分からなくなっていた。

 そこで、千葉県酪農のさとでは、2011年から安房地域最大の歴史遺産である嶺岡牧の実態を明らかにするため、科学的調査を行ってきた。調査により、嶺岡牧は他の直轄牧と異なり多くの飼養管理施設がつくられていたことや、嶺岡牧があったことにより地域の生活が潤っていたことなど、これまで憶測で語られてきた姿と大きくかけ離れた実態が分かってきた。

 今回は、嶺岡牧調査の内、牧を管理した牧士の家に残る民具調査の成果を紹介。牧のお祭であった「馬捕り」の時の饗応膳に迫る。馬捕りの時に用いる馬具類。江戸から派遣された官吏をもてなすための多数の銘々膳や食器。饗応の時の献立が記された古文書など、役30点を展示。精緻に作られた食器、豪華な献立に、賑やかな馬捕りの姿を思い描くことができる。

 特別展を記念した講演会が、2月20日(土)午後1時半から、酪農のさと視聴覚室で行われる。富里町教育委員会の吉林昌寿氏が、佐倉牧の牧士宅に残る資料を中心に『モノが語る牧士の生活』を、宮城大学講師の日暮晃一氏が『食器類が語る牧のお祭』を講演。参加費500円(資料代)。定員50名(先着順)。申込みは酪農のさと ℡0470-46-8181

■2016年1月7日〜3月31日 特別展「民具が語る牧での暮らし」開催(於:南房総市酪農のさと)
 ー講演会 2月20日 13:30〜
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