嶺岡牧御用鉄炮の古文書を展示

江戸時代も鳥獣被害に悩まされていた

南房総市 千葉県酪農のさと

嶺岡牧は平安時代から近代まで続いた牧で、八代将軍徳川吉宗が国民の寿命をのばすため嶺岡牧で酪農を始めたことから日本に近代酪農・製乳業・牛乳食をもたらした複合的日本食生活近代化遺産。千葉県酪農のさとでは、日本の宝である嶺岡牧を活用できるようにするため嶺岡牧調査を行っているが、今年、南房総市の平久里地区で行った古文書調査で鉄炮に関する史料が多数残されていることを確認した。

鉄炮は、江戸幕府直轄牧である嶺岡牧の牛馬がオオカミや野犬に喰われたり、イノシシ、シカによる草地の食害、野馬土手を崩すなど牧施設の破壊など、野生動物による農業被害から守るため、江戸幕府が貸し出したもの。鉄炮は、一揆や倒幕に使われるといけないので、幕府が代官を通して嶺岡牧周辺の村に貸し出し、定期的に鉄炮改めを行い管理した。

千葉県の山岳地帯である嶺岡牧周辺地域は、野生動物の被害が多いことから、駆除するために多くの鉄炮が村に貸し出されていた。

千葉県酪農のさとのミニ企画展では、鴨川市田原の石井牧士家、及び南房総市平久里の加藤牧士家、川名家、高梨牧士家に残された鉄炮関係の古文書のうち24点を展示。展示では、幕府から鉄炮を借りる際に交わされた牧士鉄炮や四季打鉄炮の拝借引替願いや拝借証文。猟師鉄炮を含め、村で所持している鉄炮の数や所持者の氏名を記した鉄炮改めの文書。牧士が鉄炮を預けた人の氏名と鉄炮の数。無鑑札の鉄炮所持者の報告や四季打鉄炮主変更願の古文書などをみることができる。

 
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