嶺岡牧周辺の馬頭観音巡り 人々の想いに触れる

南房総市 千葉県酪農のさと

 

 嶺岡牧周辺には、路傍に建つ馬頭観音の石仏が多く、現在確認されているだけで472体に達している。これは、石仏として馴染み深い地蔵尊の数を上回っている。しかも、嶺岡山で採石された蛇紋岩や砂岩など柔らかい石でつくられものが多いこともあり、馬頭観音の姿を浮き彫りにした馬頭観音の比率が高い。また、陽像は座像、僧形、瞑目相、合掌印のいわゆる嶺岡牧型馬頭観音が多いことや、牛頭観音の文字塔が多く建つことなど、嶺岡牧地域は独特な馬頭観音文化圏を形成している。これは、嶺岡牧があり牛馬との関わりが密だったことをベースとし、江戸時代後期に民間信仰として交通や集落を守る神として急速に馬頭観音信仰が広まったこと、明治時代以降「すべての家で牛が飼われていた」と言われる安房酪農地域となり牛を供養するため集落や家で馬頭観音を建てたことによる。

 この、嶺岡牧周辺の路傍に佇む馬頭観音を順番に訪ね、人々の想い、祈り、に思いを馳せる「馬頭観音を巡る」が千葉県酪農のさとの主催で始まる。

 第1回の7月11日(日)は、午後1時半から千葉県酪農のさと酪農資料館で年間計画や注意事項に関する説明、及び馬頭観音の見方についてのセミナーが行われる。9月から隔月の第2日曜日に馬頭観音を順番に歩いて巡る。

 
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