酪農が育んだ牛花火 酪農文化

  房総半島の南部、平群(へぐり)地域に牛花火という独特の文化があった。郷社である平群天神社の祭礼時に紙製の牛を花火で打ち上げられ、滑空するパラシュート花火の一種。紙製の牛は本物の牛に近い大きさで、白黒の斑文様と乳牛のホルスタインを表現している。明治時代から酪農が盛んであった安房地域の中でも酪農家が密集していた平群(へぐり)ならではの文化である。

 平群の花火は197738日に千葉県記録選択無形民俗文化財に指定されたが、1994年に花火工場の事故があったため牛花火は取りやめられた。今回、千葉県酪農のさとで展示する牛花火は、2002年に道の駅富楽里とみやまの開業を祝って牛花火が再現された時に打ち上げられたもの。千葉自然学校の古民家ろくすけで紙製の牛を展示していたことが、今回の展示につながった。ミニ企画展「平群の牛花火 地域でつくり育てた酪農文化」では、ホルスタインの牛花火が1点、黒毛の牛が1点、伏姫1点、だるま3点、紙風船3点、パラシュート1点、計10点の牛花火が展示される。

 なお、嶺岡牧スチュワードである白石典子さんによる展示解説が、72日(土)の午後1時半から3時に千葉県酪農のさと酪農資料館2回第3展示室で行われる
 
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